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【提言】電子書籍は紙で読めるべき

I.そもそも、電子書籍って?
え、紙で読んだら電子書籍じゃ無いじゃん、って思ったあなた、ちょっと考えてみてください。電子書籍というのはどういうものかというと、ただのデータなのです。ただのデジタルデータであるからこそ、PC、ケータイ、電子書籍専用端末、タブレット端末など、機器を問わず読むことができるのです。ときどき、電子書籍専用端末それ自体を電子書籍と呼んでいる方がいますが、理解が浅いと思います。
つまり、電子書籍とは、タブレットやPCといったモノのことではなく、そこに表示されているデータそのものです。

II. 今の電子書籍に決定的にかけているもの
たとえばAmazonKindleを例に取ってみましょう。Kindleはさまざまな端末で読めるようになっています。iPhoneAndroid、PC、Mac、Webブラウザ、そしてKindle専用端末。しかし、本を読む端末として最も代表的なものがかけていることにお気づきでしょうか。紙です。私たちは今までずっと紙で本を読んでいました。インターネットが普及し、電子書籍時代を迎えたからといって、紙から離れる必要が果たしてあるでしょうか。私はその必要はないと考えます。むしろ、紙をインターネットに繋ぐべきなのです。

III. 紙をインターネットに繋ぐ
紙はコンピュータを内蔵していません。外部との接続方法もありません。では、どうやってインターネットに繋ぐことができるでしょうか。思い出してください。スマートフォンの普及で従来の手軽な電話帳交換手段であった赤外線が使えなくなった時に私達がなにを使ったか。QRコードです。トヨタの工場内で製品という実態を持っているがゆえに電子化ができないものの情報をネットワークにつなぐために開発されたこの便利な二次元コードは、それを貼り付けることによって、どんなものでも情報の発信元になることができます。紙はQRコードによってインターネットに繋ぐことができるのです。

IV. QRコードでできること
ふたたびKindleに登場してもらいましょう。Kindleのすばらしいところは、単に多くの端末で読めるというだけではなく、どの端末で読んでも、どこまで読んだかが常にインターネットの自分のアカウントに同期されるため、常に続きをすぐに読み始めることができるという点です。
では、QRコードで紙をKindleに対応させることについて考えてみます。PC、Mac、Webブラウザ、AndroidiPhoneKindle専用端末のどれであってもKindleを開くとすぐに最後に読んだページが表示されます。そして読み終われば、どこまで読んだかがインターネット経由で送信されます。これを紙で実現するのです。

V. 実装イメージ
もっともシンプルな方法は、PCやMacに接続されたプリンタを使うことです。PCとMacKindleアプリケーションに印刷機能を搭載します。印刷したい本を選ぶと、最後に読んだページから指定した枚数分プリントアウトします。印刷された紙には、各ページの隅にQRコードが付されています。これをiPhoneAndroidで読み取ることによって、どこまで読んだかを自分のアカウントに記録します。また、各行にマーカーを設置しておけば、マークしたい行をマークすることによって、ハイライトを保存したり、TwitterFacebookにシェアしたり、コメントをiPhoneAndroid経由で書き込んだりすることができると思います。
また、自分で印刷するだけでなく、はじめからKindle対応版の紙の書籍が買えるというのも便利でしょう。自分で印刷するのではやはり書籍として売りだされているものには到底かないません。

VI. 著作権の問題
実は、現在電子書籍として販売されているものの中には、上記のようなデジタルとの連携はないものの、印刷が許可されているものもあるのです。しかし、Kindleをはじめ、おおくの電子書籍プラットフォームでは印刷機能自体を備えていないし、また電子書籍自体に印刷できないようにプロテクトがかかっているものがほとんどです。電子書籍であろうがなんだろうか、自分で買った本なのだから、印刷だってできて当然だ、と考えることもできますが、一方で、ユーザーが電子書籍を自分で印刷してしまうと、紙の本が売れなくなるとか、友人に読ませてしまう可能性があるという点が懸念されているのだと思います。
そのような問題に対しては、補償金を取ることで対応すればいいのではないでしょうか。たとえば、1冊1000円の電子書籍であれば、まるまるそれを印刷するのに500円、10パーセントだけ印刷するなら50円という具合です。

VI. まとめ
思い返せば、私達が今までずっと読んできた紙の本だって、元々は電子書籍―デジタルデータ―なのです。電子書籍が印刷されて本屋に並んでいるだけなのです。私達は今までずっと紙で電子書籍を読んでいた、それがPCやケータイなどでも読むことができるようになった―――このように考えるべきではないでしょうか。紙は、文章を表示するということにかけては紛れもなくもっとも理想的なデバイスです。液晶よりも目が疲れないし、解像度は高いし、バッテリーも食わない、水にも強く、ページめくりも一瞬です。その上安い。こんな理想的なデバイスを捨てる理由がどこにあるのでしょうか。幸いにしてプリンタはどんどん小型化し、価格も下がっています。QRコードスマートフォンの普及によって、上の情報をデジタルな世界に送ることができるようにもなりました。紙であれば、電子機器に抵抗のある高齢者や主婦層も手軽に電子書籍を読むことができます。紙の大きさも、文字の大きさも自由に選べるし、何冊買っても場所を取らない。読みたくなったら印刷して、読み終わったら捨ててしまえばいいからです。電子書籍は紙で読めるべき。