日本語学習者のための新しいローマ字体系「ISJ ローマ字」

ISJ ローマ字

ねらい

  • キーボード上での日本語タイピングの習得に資すること
  • 英語話者にとって親しみやすいこと
  • 縮約形、子音・母音の脱落、及び音便形をわかりやすく表示できること
  • カタカナ語をわかりやすく表示できること
  • イントネーションを含めた発音を必要十分に表示できること

ルール

  • ローマ字規則は、タイプライター式ローマ字に倣う
  • タイプライター式ローマ字による子音の表記において、複数のローマ字方式が容認される場合は、そのうちヘボン式に倣う
    • 例:「し」は shi と表記し、 si は用いない
  • 「ん」は、 nn と表記する
  • 「ん」は、動詞の活用において、音便化によって生じたと考えられる場合は、 ṅ’ と表記する
    • 例:「噛んで」は kámite の i が脱落し、 m が n に変化したものと考え、 káṅ’de と表記する 
  • アクセント位置の母音には、アクセント記号(´)を用いる
    • 例:Fújisann. Okáyama. Otoutó. 
  • 動詞及び形容詞の活用において、音便化によって生じた音には、字上点(˙)を打って表示する
    • 例:「買って」は kaṫ’te と表記する
  • 合成語において、接合部の子音が濁音化するものは、音便とは区別し、字上点は用いない
    • 例: 「目安箱」 meyasúbako は méyasu と hako が合成されたものと考えられるが、 h が b になるのは濁音化であって、音便とは区別し、字上点は用いない
  • 字上点のある位置にアクセントがある場合は、字上点をふたつ(¨)打って表示する
    • 例:「美味しゅうございます」は oishü’u gozaimásu と表記する
  • 音素の脱落があったと考えられる位置には、省略記号(’)を打って表示する
    • 例:「遊んでます」は「遊んでいます」の「い」が脱落したものと考え、 asoṅ’de’másu と表記する
  • 疑問文には疑問符(?)を振って表示する
    • 例:「美味しいですか」は oishíi désu ka? と表記する
  • 疑問文とは言えない文において、末尾のイントネーションが上昇調になる場合には、逆疑問符(¿)を振って表示する
    • 例:「でも、明日雨だよ?」は démo, ashita áme da yo¿ と表記する
  • カタカナ語は、語頭を大文字とする
    • 例:「うちの子はゲームばかりする」は uchi no ko ha Gé-mu bákari surú と表記する
  • 単語と単語の間にはスペースを挿入する
  • その他、ピリオド、スペース及び大文字化に関するルールは、英語に倣う
    • 例: asoṅ’de’másu の ‘másu は、 imásu の縮約形であり、独立の単語と考えられるが、do not の縮約形が don’t 、 is not の縮約形が isn’t と表記される英語の慣習に倣い、スペースをなくして表記する
  • 合成語は、合成される語のうち、いずれかの語が他の語の発音を変化させる場合、まとめてひとつの単語として表記する
    • 例:「東京電力」の「電力」は「関西」についた場合 kánnsai を kansai に変化させるから、「東京電力」は toukyoudénnryoku と表記する 
  • 自立語の発音を変化させない付属語は、独立の単語として表記する
    • 例:「小田急線が運休だそうです」の「が」「そう」などは、直前の単語の発音を変化させないから、直前にスペースを挿入し、 odakyuusenn ga unnkyuu da sóu désu と表記する
  • イントネーションを変化させることがない語には、アクセント記号を用いない
    • 例: 「小田急線が運休だそうです」の「が」は、イントネーションを変化させることがないから、アクセント記号を用いない
  • 動詞の活用形は独立の単語とは見なさず、のちに続く付属語と合わせて一つの単語とみなす
    • 例:「買わない」は未然形「買わ」に付属語「ない」がついた形と考えられるが、「買わない」を一つの単語とみなし、 kawanái と表記する
  • 「買わない」など、否定形において子音 w が挿入される動詞は、辞書形においても w があるものとみなし、その他の活用形については w が脱落したものとみなす
    • 例:「買う」は kawú, 「買えば」は ka’éba, 「買った」は kaṫ’táと表記する
  • 中点(・)はスラッシュ(/)として表記する
  • 長音記号「ー」はハイフン(-)として表記する
    • 例:「インターネット」は Innta-nétto と表記する