ケーキを平等に切り分ける方法

おはようございます。

「ケーキを平等に切り分ける方法」として、こんな方法が有名です。確か、伊藤家の食卓か何かで紹介されていたのを見た覚えがあります。初出はどこなのでしょうか?

登場人物として、お母さん、お兄ちゃん、弟を想定します。

お母さんが半分にケーキを切って適当に取り分けると、弟とお兄ちゃんのどちらかまたは両方が、「自分の取り分が少ない」 と感じて、喧嘩になる恐れがあります。

そこで、お母さんはこんな提案をします。

「お兄ちゃんがケーキを切って、弟が選びなさい」

お兄ちゃんは、自分が選ぶことができないのがわかっているので、絶対に半分になるように慎重に切ります。

弟は、お兄ちゃんがどんな風にケーキを切ろうとも、好きな方を選ぶことができるので、満足です。

これで、喧嘩がなくなりました。めでたしめでたし。

しばらく前に知人がこれを自慢げに話してきたので、この方法がかねてから嫌いだった私は反論してしまいました。

つい先日もTwitterでこれを紹介しているツイートを見つけました。

 私が知っていたバージョンとは違い、最初にじゃんけんが入りますが、それ以降は全く同じです。

 割と好意的な反応が多いです。

 やっぱ伊藤家の食卓だったんでしょうか?

これ、全然平等じゃないですよね? と思うんですけど、どうでしょう?

なぜかと言うと、そもそもケーキをちょうど半分に切り分けることは不可能なので、切る係になった方、(先の例ではお兄ちゃん)が、常に損をする仕組みになっているんです。しかも、慎重を期してケーキを半分に切る、と言う子供には容易ではない役目まで負わされています。

お兄ちゃんからしてみれば、大人であるお母さんが切ってくれた方がちょうど半分に近い分量をもらえるのですから、自分で切る意味は全くないわけです。面倒で難しいことをやらされた上に、どう転んでも損するんですから、踏んだり蹴ったりですね。

でも、お兄ちゃんは文句が言い出せません。なぜかと言うと、「ケーキを自分で切ったから」です。

「弟のケーキの方が大きい」などと文句をいえば、「ちょうど半分に切らなかったお兄ちゃんが悪い」と言われるのが目に見えていますから、言えません。

不利な立場に置かれた上に、反論まで封じられているのです。

つまり、この方法は、「平等に分ける方法」ではなく、「不利な立場に置かれた人を黙らせる方法」なわけです。

これのどこが平等でしょうか?

一応、「切るほうが不利」と指摘している人もいました。

 

代替案

 

 番外編