日本語のアクセント型は三種類

「平坦型」「頭高型」「中高型」「尾行型」なんていう分類があるんですが、これはちょっとアホっぽいですね。

まず、「平坦型」というのは、アクセント核がない単語のことを指しています。「大変な」というときの「大変」などがこれに当たります。

しかし、「頭高型」「中高型」「尾行型」というのは不要な分類ですね。これらは「有核型」とまとめてしまうべきでしょう。日本語の単語は3モーラよりも長いものもあるのですから、アクセントの位置を示すのであれば3分類じゃたりません。有核型の単語については、アクセントがどの位置にあるのかをそれぞれ具体的に示す必要があり、そうでなければ分類は不要です。

というわけで「平坦型」と「有核型」の二種類があるいということになるのですが、三種類というのはどういうことかというと、付属語のアクセント型があるわけです。

付属語は、直前の語が平坦型の時は第1モーラにアクセント核をもち、そうでなければ無アクセントになります。これは「潜伏核型」あるいは「潜在核型」のように呼ぶことができると思います。特定の条件下においてのみ核が顕在化するので。

そういうわけで「平坦型」「有核型」「潜在核形」の3つというわけです。名前スキームを揃えるために「平坦型」は「無核形」の方がいいかなという気もします。

潜在核型は付属語のアクセント型なのですが、一般に自立語であるはずの名詞のうち、「私、黄色いのが良い」という時の「の」だけが「潜在核型」です。

この「の」を付属語とするか自立語とするかは、微妙なところだと思います。学校文法では「準体助詞」という名前を与えられ、付属語扱いになっています。

いっそ、接尾辞という扱いでも良いような気がしてきましたが、用言について引数もまとめて名詞「節」を作ってしまう接尾辞というのも少しイレギュラーな感じがして気持ちが良くないです。その接尾辞のついた用言、例えば「餃子を作るのは止めにしよう」という時の「の」を動詞「作る」の接尾辞だとすると、「作るの」という一個の単語があるということになりますが、「作るの」の品詞はなんなんだという問題が生じます。直感では名詞ですが、「餃子を作るの」が一つの名詞節になるわけで、そうすると、「名詞がヲ核の引数を取って名詞節を作っている」という通常ありえない現象が観測されていることになってしまいます。もっとも、動詞の活用形は福祉だったり接続詞だったりといった働きをして、それらの品詞の通常の振る舞いにかかわらず、平気で引数をとるものなので、おかしくないといえばないのかもしれません。どうも名詞節を作る接尾辞というのが個人的にピンとこないだけかもしれません。

なお、名詞と解釈した場合、イレギュラー感があるのはそのアクセント型だけなので、第一感では名詞なんですが......。

とりあえずここまで思索メモです。