MacBook 12インチモデルに思うこと

お金が買える最高のラップトップだけど…

「お金が買える最高の」はApple製品がわりと占めてる立ち位置だと思う。iPhoneなんかが良い例で、「あなたがもし億万長者で、お金の心配は何もなく、欲しいスマートフォンならなんでも買える、となったとき、iPhoneより高いスマートフォンを買いますか?」ということ。iPhoneより高いスマートフォンは(たぶん)あると思うけど、iPhoneより良いスマートフォンはない。

iPadにしても、いくらお金を出してもこれより良いものは手に入らない。

たぶんAppleのマーケティングはまさにこの立ち位置を狙ってるんだと思うし、2015年に発売されて、今回更新された12インチのMacBookも、お金が買える最高のラップトップだと思う。

でもちょっと高いよねえ。

ものは手放しで絶賛するくらい素晴らしい。

従来のMacBook製品以上に無駄なものがなくなった筐体デザインは、たぶん向こう5年間はラップトップの理想形として他のメーカーに模倣されることになると思う。

新しいキーボードは、キートップが大きく、ストロークが短くなったことで、タッチスクリーンのような軽快な入力が可能になるはず。iPadMacを併用する人場合の違和感が大きく減ると思う。

Retinaディスプレイはまさに待望のもの。

なによりもHDDなし、光学ドライブなし、ファンなしの三拍子そろった「ゼロスピンドル」(ソニーVAIO type Uで用いたキャッチコピー)を(前衛的なことをしてキャッチーだが使い難い製品に仕上げるソニーではなく)、新技術や新しいデザインに対して非常に保守的で、無難な使用感のために性能や機能を犠牲にまでするAppleが実現したことは、とても意味があることだと思う。

トラックパッドは大きくなっているし、従来のものよりも感度も良くなっているという。Force Touchに関しては、それほど大きな変化は(今のところは)もたらさないかなという気がしているけど。(なぜかあまり報道されていなかったけど、Force Touchで使えるプレビューや辞書引き機能は、従来のMacBook AirMacBook Proでは三本指タップに割り当て可能。一部Force Touchでしか利用できない機能があるけど。)

今年(2016)の更新で残念だったこと

安くなると思ってた。初めてMacBook Airが出たときは、ほんとうに飛行機(Air)で世界中を飛び回っているような人が買うような値段だったけど、第二世代から値下げされて、今ではMacBookシリーズのエントリーモデルになっている。

Airと名のつく割にはもう、他のメーカーの出している薄型ラップトップに比べて特別軽いわけでも薄いわけでもなくなってしまい、「安いMacBook」であること以外に特徴がなくなってしまっていた。

だから、AirよりもAirらしいMacBookが出たときは、これがMacBook Airを置き換えるんだろうと思った。MacBook Airを置き換えるからには、値段もある程度安くないといけない。「第1世代は高い」という経験則と相まって、今年の更新では少し安くなるだろうと思っていたけど、ならなかった。

もう一つ。14インチモデルが出なかった。11インチのMacBook Airを今は使っていて、これよりも少し大きい画面が欲しいと感じている。もちろん新しいMacBookRetinaディスプレイだから、同じ大きさでも体感上ある程度広く感じられるだろうけど。(Retinaディスプレイなら、文字やその他の要素を小さく表示しても見やすいので、表示領域の節約ができる。)14インチモデルが出るという噂は目にしていたから、期待していたんだけど、追加されないまま更新されてしまった。

WWDCで何かあるかな

このタイミングで更新されたのが意外だったのは、6月にWWDCを控えているから。これだけ迫っていれば、当然WWDCで発表されるのだろうと思っていた。

WWDCではMacBook Proの発表があるかもしれないという噂がある。また、15インチと13インチの「MacBook」が出るという噂もまだ立ち消えてはいない。

あまり期待はしないほうがよさそうだけど、WWDCまでは待とうと思っています。