モン族の言語「ミャオ語(モン語)」が面白かったのでメモ

アメリカ中西部にはモン族と呼ばれる民族の人がたくさんいます。モン族はネイティブアメリカンではなく、ヨーロッパからの入植者でもなく、ベトナム戦争後アジアから難民としてアメリカに逃れてきた人たちです。

彼らはミャオ語と呼ばれる言語を持っていて、学校や職場では英語でも、家庭ではミャオ語というケースが多いようです。

クラスメイトにモンの人がいて、ミャオ語を少しだけ教えてもらいました。教えてもらったその日にググったりしていたので、聞いたことをそのまま書いているわけではなく、概ねウィキペディアを頼りにしています。

ミャオ語は地域的には中国語と隣り合っていますが、中国語とは違いシナ・チベット語族には含まれず、「ミャオ・ヤオ語族」という語族に含まれるそうです。

ミャオ語の表記体系は独特です。アメリカではローマ字で記述されるので、見た目は他の多くの言語とあまり変わらないのですが、7つのトーン(声調)を中国語やベトナム語のようなアクセント記号ではなく音節末子音として記述します。

これはどういうことかというと、たとえば「食べ物」はmovというそうですが、この語末のvは音声上の子音ではなく、母音oのトーンを表現しています。

語末の子音は音声上の子音ではないので、概ね開音節の言語のようです。

ミャオ語の音声には日本語や英語や中国語にはない特徴があります。他の多くの言語と同じくmとnがありますが、特徴的なのは、この二つの子音の有声と無声を区別することです。そもそも「無声のm」というものの存在を考えたことすらなかったので、これは衝撃でした。有声のmはmと記述され、無声のmはhmと記述されます。

この違いがどういう風に聞こえるのか知りたかったので、実際にhmから始まる単語「hmoob」(モン)と「mov」(食べ物)を交互に聞かせてもらったところ、hmのほうが「明るく」聞こえました。無声のmを少し練習しましたが、「発音できた」と思うには至りませんでした。