当時からずっと疑問に思っているプレステがらみのソニーのメディア戦略

もう今更すぎて何言ってるんだって話なんですが、いつまでたっても疑問は疑問のままなので、いつか誰かがこの記事を見つけて答えあるいはアイデアを書き込んでくれると期待して書き残しておきます。

前提

とりあえず、私の認識として、ソニーは以下の動機をもっていただだろうと想像しています。

  • 自社製品には自社メディアを使いたい
  • 自社製品に限らず、自社メディアを普及させたい

ここでいう自社メディアとは、初代プレステの時代からあり、実際に採用されたCD, プレステの3年後に発表されたメモリースティックおよびその後続規格のことをいいます。

現在の状況というと、CDは生き残っているものの、メモリースティックはSDカード陣営に完全にシェアを取られ、見る影もなくなってしまいました。

どうしてこうなってしまったのか、もっとマシなやり方があったんじゃないのか、というのが出発点です。

自社メディアが普及すると、生産コストが下がり、自社製品の原価を下げることもできますし、他者が自社メディアを採用することによってライセンス料が収入になりますから、ソニーはなんとしてでもメモリーステックをいまでいうSDカードのポジションに持って行きたかっただろうと想像しています。少なくとも、普及させる意図がなければ最初から規格化などしないでしょう。

PS2のセーブデータ保存用にメモリースティックが採用されなかったのはなぜか

PS2用のセーブデータを保存するメモリーカードは、初代プレステと同じ形で容量が拡張された専用メモリーカードでした。

PS2用のメモリーカードは8MBですが、PS2が発売された2000年当時すでに8MBのメモリースティックが発売されていました。

ということは、新たにPS2メモリーカードという規格を作らなくても、メモリースティックをそのまま使えるようにしてしまえば、一気に普及が進んだだろうと想像できます。

考えられる理由はといえば後方互換性ですが、これはPS2本体にPS1用メモリーカードが刺さるスロットを一つ用意するか、さもなくばメモリースティック用差込口に挿入できるメモリーカードアダプタを発売するかすれば済んだ話でしょう。周辺機器商法で売り上げアップも狙えたことでしょう。

PSPのソフト用に、なぜUMDなどという謎規格を採用してしまったのか

UMDは光ディスクで、携帯機に光ディスクを採用するということに当時から疑問の声が上がっていた記憶があります。ソニーとしては、MDウォークマンなどの経験があるので大したことではなかったのかもしれないですが、実際ゲームをプレイする人たちからは、ソフトによってはロードが長いなどの愚痴が溢れかえっていました。

本体重量や、バッテリー消費の面でもデメリットが大きかったことでしょう。さらには、UMDドライブがプレイ中に開いてしまい、中のディスクが飛び出すという不具合があり、ネットで散々ネタにされていました。

UMDの強みはその容量で、1枚に1.8GBものデータを記録することができました。初代プレステでは容量が足りず複数枚組になることもありましたから、その反省かもしれませんが、果たしてそれほどの容量を必要とするゲームがどれだけあったのか。256MBにも満たないゲームが多数あったことを記憶していますし、2枚組になったという話も聞きませんでした。(あったんでしょうか?)

UMDではなく、PSP発売当時にすでに発売されていたメモリースティック Pro Duo を採用していたら、どうなっていたでしょうか。

PSPはセーブデータをメモリースティックに保存する仕様でしたが、そもそもゲームのROMがメモリースティックであれば、そのうちの一部を書き込み可能なセーブデータ用の領域とすることも可能だったのではないでしょうか。

容量はというと、PSPが発売された2004年にはすでに1GBの物が発売されていました。もちろん価格は高かったでしょうが、全てのゲームにこれほどの容量が必要だったわけではなく、初期に発売されたゲームの多くは256MBで足りただろうと想像できます。(ゲームの容量は初期のものは小さく、ライフサイクル後半になると大容量の大作が出て来るという傾向があると思います。)また、PSPのライフサイクル後期には、メモリースティックの値段が大幅に下がっていたことも付け加えるべきでしょう。

UMDの代わりにメモリースティックを採用していれば、PSP本体は格段に薄く、軽くすることができ、本体の製造コストも抑えることができたでしょう。

メモリースティックは大容量のものはUMDよりも高コストだったかもしれませんが、UMD自体にも開発コストがかかっているはずですし、サイズが全く違うので流通コストも違ったはずです。

もしPSPのゲームがにメモリースティックに入って売られていたら、SDカード陣営に勝ち目はなかったのでは? あるいは、そこまでではなくても、いまでも良い勝負をしていたのでは? と想像してしまいます。

なお、UMDにはゲームの他に、音楽と映像のソフトがありましたが、やはり1GBもの容量があれば足りないはずがないですし、全くどうしてUMDなどという謎規格が必要だったのか。

結び

以上、

という二つの疑問について書きました。

何か知見のある方は教えていただけると嬉しいです。