これからGTDを始める方へ 簡単なやり方 #gtdjp

GTDとは

GTDは、近年流行している自己管理の手法、又は仕事術です。入門書としては原典「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
」がおすすめですが、この記事で入門解説をしてしまおうと思います。もちろん、GTDを始めるときには「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
」が必要になります。

GTDの特徴
  • 時間ではなく行動を管理する

GTDでは時間を管理しません。つねに自分がその時にやるべきことはなにか把握することで、事前に時間に沿った行動計画をたてなくてもむだなく時間を使えるようにします。

ツールに依存する仕事術は、柔軟性がありません。わたしはふだんPCでGTDをやっていますが、語学研修でカナダに行っていたときはPCは持って行かなかったので、SIMカードを抜いたケータイでやっていました。さらに現地でケータイを無くしてしまい、その後は紙で行いました。

  • プライベートと仕事を区別しない

この特徴から、わたしはGTDを仕事術と呼んでもいいのか迷ってしまいます。GTDの提唱者デビッドアレン氏は、ワーク・ライフ・バランスはげんそうだといい、仕事とプライベートを分けて考えることを否定しています。

  • ストレスフリーを重視する

仕事術というといかに短時間で物事を片付けるかというイメージがありますが、GTDは物事を素早く片付けるための具体的な手法はほとんど含んでいません。GTDの目的は仕事が把握しきれない不安からくるストレスから自分を解放することにあります。

先にビジョンや目標を定めてそれを実現するために必要なことを明らかにしていくのがトップダウンアプローチだとすると、GTDはその逆で、身の回りの物事にまず対処し、それから人生の方向性を見出そうとします。

  • やり直しが容易

何の準備もなくとても身近なところから始められるのがGTDです。そして、GTDは生活スタイルをほとんど何も変えません。GTDに失敗しても、積み重ねたものが崩れ落ちるようなことはありません。

GTDのはじめ方

ここでは、とりあえずGTDがどんなものか実感できるように、非常に簡単なやりかたでGTDを体験できる方法を提案します。
これを見て、実際に試せば、GTDがどんなものなのかだいたい分かるようになっていると思います。ツールに依存しないのがGTDですから、やり方は無数にありますので、これはあくまで提案です。
紙とペンで行います。デジタルで特定の環境(Evernoteなど)で行うものは、他の環境では容易にはできないことが多いのですが、紙とペンで可能なとこはほとんどのアナログ/デジタル環境に移植可能です。ですから、今回この記事からGTDを始める方は、まずこの記事通りにシステムを組み、GTDに納得したら原典を買い、それを読んで自分により適したシステムを模索するというのが良いと思います。

準備

裏紙で充分です。両面使うとややこしくなります。また、全て同じ大きさに揃えるとやりやすくなります。小さすぎるものはダメです。おそらくA4が最も入手しやすく手頃なのではないでしょうか。

  • クリアファイル3枚

1枚には「プロジェクト」もう一枚には「いつか・たぶん」最後の一枚には「備忘録」と目立つように書いておきます。
中身が見えることが重要です。色分けができるとさらに便利です。使う紙の大きさにあっていない場合ははさみで切りましょう。

  • 書類受け

Amazonダンボール箱で充分です。但し、入れた紙が取り出しにくくならないように、また、中身がからかどうかパッと見でわかるようにしておきましょう。

  • カレンダー

普段使っているもので構いません。

1 収集

収集は、GTDの最初のステップです。ここで、「気になること」をすべて書き出し、頭を空っぽにしようというのがGTDの原典の言うところですが、それでは後述するように連休を取らなくてはなりません。ここでは頭を空っぽにしようなどと意気込まず、とりあえずすぐに思いつくことだけでも充分とします。これでもGTDの効果は感じられるでしょう。
よくあるGTD入門だと、ここで「充分な時間を確保しましょう。少なくとも数時間程度、週末に2日取れるとベストです」なんていう(原典にも同じようなことが書いてあります)のですが、それではなかなか始められまえん。10分くらいで終わらせます。

  1. 用意した大量の紙、書類受け、ペンを用意します。
  2. 手帳やカレンダーなど、普段自分が仕事の管理に使っているものを用意します。(なければないで構いません)
  3. やらなければならないことを紙一枚に1項目ずつ書いていきます。殴り書きでかまいません。この時、かみの一番上にはあとで日付を書きこむので少し開け、下にも充分広い余白をとって上の方に書いてくださいい。
  4. なるべくたくさん書き出せたほうが良いのですが、とりあえず思いつくものだけで充分です。かけたものを全て重ねて書類受けに入れます。

最初の収集の後は、後述のレビューでの収集の他、新しく気になることが入ってきたらすぐに書類受けに入れることにします。書類受けは後述のレビューステップで毎日からにします。

2 処理・整理

処理は、書類受けに入っている紙を1枚ずつ取り出し、「ここに書かれていることはGTDにおけるなんだろうか」と考え、それぞれに適切な加工を加える(かみに書き加える)ステップです。
整理は、処理の結果に基づいて、紙を適切なクリアファイルに振り分け、物によってはカレンダーに転記するステップです。処理と整理は同時に行います。
「なんだろうか」といっても5つしかありません(原典だともう少しあります)

  1. 特定の日付に思い出したいこと → 備忘録
  2. 特定の日付の特定の時刻に決まりきった大事な予定 → カレンダー
  3. やらなくてもなんとかなるけどやった方がいい、又は、やりたいこと → いつか・たぶん
  4. とてもだいじな、やらなければならないこと → プロジェクト
  5. 思い出す必要も、やるひつようもない → ゴミ箱

1の「特定の日付に思い出したいこと」は、たとえば「3月14日、銀座のソニービルでアヴリル・ラヴィーンのミュージックビデオを3D上映」などです。どうしても行きたいわけではなく、行くかどうかすぐに決めなければならないものでもない」場合、これに該当します。
他にこれに該当する例としては、「忘れてしまっても大きな問題ではない誰かの誕生日」「少し気になる程度のテレビ番組の放送日時」「買うとは決めていない新製品の発売日」などがあります。
これに該当する場合、紙の上辺に日付を書き入れ、備忘録に入れます。この時、日付順に並ぶようにしておきます。
2の「特定の日付の特定の時刻に決まりきった大事な予定」は、先の例をとって言えば、わたしがアヴリル・ラヴィーンの熱狂的なファンで、どうしても件の上映会に行かなければならないと思っている場合は、1ではなくこちらに該当します。また、誕生日についても、「絶対に忘れてはならない恋人との誕生日デートの予定」であればこちらですし、テレビ番組、新製品も「見逃したら人生に絶望してしまうほど大好きな番組」「発売日前日の深夜から並んででも手に入れたい初回限定特典」であればこちらです。多くの場合は、人と会う約束になるでしょう。
これに該当する場合、紙の内容をカレンダーに書き込みます。4「とてもだいじな、やらなければならないこと」と重複して該当する場合、紙は4として処理することになります。
3の「やらなくてもなんとかなるけどやった方がいい、又は、やりたいこと」は、「古い教科書を処分する」「友人にゲームソフトを貸す」「マインドマップの入門書を読む」などが該当します。特定の日付までにやらなくても生活に支障がないというのが判断基準になると思います。
これに該当する場合、特に書き加えなどはせずそのまま「いつか・たぶん」に入れます。
4の「とてもだいじな、やらなければならないこと」は、特定の日時までに絶対にやらなければならないことです。一部は2にも重複して該当します。重複の例としては、4月6日の午後3時から午後2時までにある会合があり、そこであなたは研究を発表しなければならない場合などです。研究発表そのものは4に該当するのみですが、会合の日時が2と4の両方に該当します。
これに該当する場合、まず紙の上辺に期日となる日付を書きます。次に、期日のすぐ下に書かれている事柄を達成するために必要な具体的なアクションを下の余白に書き加えます。
先の例をとって言えば、研究発表が3時から始まるので、どんなにおそくても発表の準備は前日の夜までにできていなければなりません。上辺には4月5日と書きます。
次に、研究発表をするには中身の研究が必要です。研究に必要な具体的なアクションを書いていきます。ここで気をつけなければならないのは、かかれている内容が具体的な行動を示しているかということです。かかれている内容を見て、さらに細かいステップを考えてしまうようなら、それは細分化が足りません。
期日と、完了までに必要なステップがかけたら、「プロジェクト」に入れます。この時、日付順に並ぶようにしておきます。

3実行

「プロジェクト」のなかにかいてある具体的なアクションを順々に実行していきます。完了したアクションには取り消し線を引くなどして完了したことが一目でわかるようにしておきます。全てのアクションが終わったら、紙の上辺に書かれた項目は達成できているはずです。達成した紙は捨ててしまいます。

4日次レビュー

システムの見直しをするのレビューステップのうち、最低でも1日一回はこれを行う必要があるものです。時間の許すかぎり、レビューのやり過ぎということはありません。

  • 書類受け

必ずなにか入っていないかチェックし、入っていれば処理・整理を行います。

  • 備忘録

一番手前の紙について、処理・整理を行います。一番手前の紙の日付がその日の翌日以降の日付になっているようにしてください。

  • カレンダー

最低でもその日の予定はチェックしましょう。

  • プロジェクト

期日が迫っている紙がないか、最も手前の紙の期日を確認します。期日が過ぎた紙があれば処理・整理を行い、常に一番手前の紙の日付がその日以降の日付になっているようにします。

5週次レビュー

毎日やる必要はないものの必ず定期的に行う必要があるものです。したがって、1週間単位である必要はありませんが、基本的に週次になります。

  • 収集

収集は最初だけでなく定期的に行う必要があります。収集を怠るとやるべきことがシステムに入らなくなってしまいます。

  • プロジェクト

終わったのに完了の印が付いていない物があれば付けます。細分化が足りないものがあれば細分化を行います。期日が過ぎた紙があれば処理・整理を行います。完了した紙があれば捨てます。重要性が薄いものがあれば「いつか・たぶん」に移動します。

まとめ
  • きになることはすべて1項目1枚に書き出して書類受けに入れる
  • 書類受けの中身は毎日適切なクリアファイルに振り分け、からにする
  • 備忘録は毎日チェック。一番手前にその日思い出すべき項目が見えている
  • カレンダーは決まりきった重要な予定を書く聖域
  • 重要でないことはとりあえず「いつか・たぶん」に入れて保管
  • 重要なことは期日順に並べ、完遂のために具体的なアクションを書く

GTDを始めるための本

  • 原典

  • 続編 少し進んだ内容が書いてあります。とりあえずGTDが実装できたかな、とおもったら読んでみると良いと思います。

  • その他 ちょっと役立つ情報や考え方が書いてあったり、復習になりそうな本