英語に長音が存在しないと言われる理由
音声と音韻
音声とは人の発音する音をそのまま音として認識する場合の表現です。IPAでは、音声は[]で括って表記されます。
一方、音韻とは、その言語において弁別がある場合のみ区別し、弁別がない場合は区別せずに同じ記号を用いる表記です。IPAでは、//で括って描かれます。
長音の区別がある言語とない言語
長音と短音の区別がある言語は日本語以外にはあまりありません。私が知っているのはハワイ語くらいです。英語には長音と短音の区別はありません。
英語にも実際には長音として発音されやすい音とそうでない音があります。しかし、それをもって意味が弁別されておるわけではなく、長音を短く発音しても問題なく理解されます。
なぜ英語由来のカタカナ語に長音があるのか
長音で弁別があるフリをした方が、多数の英単語をカタカナで書き分けることはできるので便利です。
それに、いくつかの音は日本人の耳には長音のように聞こえるのです。もちろん、英語には長音と短音で意味上の弁別はないので、英語を喋ってる本人はそんなこと知りません。
なぜ英和辞典を見ると長音と短音で弁別しているのか
IPAには長音記号があり、それをつかうと母音本体をかき分けなくても区別できる場合があり、いくつかの英和辞典はその方式を採用しています。
要するにカタカナに長音が存在するのと同じ理由で、発音記号にも長音が用いられているのです。
悪い習慣だと思います。